遠藤周作が描く人間たちのドラマを、ハリウッドで映像化 ~ 沈黙 -サイレンス-

  

日本の作品がハリウッドで映像化されると、やっぱりうれしい!と思っているのは私だけではないと思いますが、このような重いテーマの小説を選んだマーティン・スコセッシ監督の念願の企画である「沈黙 -サイレンス-」が、ついに日本でも公開となりました。

 

17世紀、キリシタン弾圧下の江戸時代初期の日本を舞台に、外国人宣教師の衝撃の体験や苦悩を描いたものです。島原の乱が収束して間もないころ、江戸幕府によるキリシタン弾圧が激しさを増していた17世紀。布教に赴いた日本で宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が捕まって棄教したとの知らせを受けた彼の弟子ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライヴァー)は、キチジロー(窪塚洋介)の協力で日本に潜入することから物語が始まります。日本に上陸したポルトガル人宣教師を日本の村人が出迎え、隠れキリシタンの間で歓迎されるのですが、裏切りにより、次々と隠れキリシタンが役人によって摘発され、激しい拷問を受けるキリシタンに救いが見えない状況にロドリゴは苦悩するのです――。

 

 

原作は遠藤周作の小説『沈黙』。第2回谷崎潤一郎賞受賞作で、この小説で遠藤が到達した「弱者の神」「同伴者イエス」という考えは、その後の作品で繰り返し描かれる主題となりました。世界中で13か国語に翻訳され、て「遠藤は20世紀のキリスト教文学で最も重要な作家である」と言わしめたのを始め、戦後日本文学の代表作として高く評価されます。

 

窪塚洋介、浅野忠信、加瀬亮、小松菜奈、片桐はいり、イッセー尾形など、日本人俳優が多数出演。特に窪塚洋介に対しては、キチジローは物語の鍵を握る重要なキャラクターとスコセッシ監督がコメントしています。重要な役どころを、日本人が努めているので注目ですね。

 

単に宗教論を語る映画ではなく、自分の価値観が根底から揺るがされ見失った時に、どう立ち向かい、どう妥協し、どう浄化していくのか――自分自身に問いかけるそんな映画です。

 

 


沈黙 -サイレンス-(2016年・アメリカ)
公開中

 

監督:マーティン・スコセッシ
配給:KADOKAWA
上映時間;162分
映倫:PG12
http://chinmoku.jp/

 

 

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