漫画家・谷口ジローが闘病中に漫画表現に挑んだ、未完長編「光年の森」

  

人気漫画「孤独のグルメ」などで知られ、2月に69歳で死去した漫画家、谷口ジローさんが闘病中に描いた未発表の遺稿が見つかったニュースは記憶にも新しいですが、昨年12月に、その作品2刊が発売になりました。1点は薄墨と鉛筆とホワイト(修正液)だけで執筆した『いざなうもの』、もう1点は、原稿用紙を“横長”に2枚並べる見開きで描いたオールカラー作品『光年の森』です。いずれも2015年から闘病生活中に描かれたもので、革新的な技法に挑んだ意欲作です。

 

その中でもオールカラーで描かれた『光年の森』は、本来の漫画の“見開き”B4サイズの原稿用紙を“縦長”におくのではなく、“横長”に2枚並べたもの。森の声が聞こえる不思議な力を持つ一族の少年が、感受性が豊かすぎるがゆえに時に自分の心を傷つけながら成長していく物語をカラーのパノラマで表現しています。当初は第5章まで執筆予定だったのですが、2章の下描きを終わらせたところで徐々に病状が重くなり、クライマックスを描くこと無く未完となってしまいました。

 

生前、「風景が持つ感情がある。僕は風景を単なる背景としてではなく、登場人物の1人のように、感情を語らせたい」と話していたこの作品は、すでにフランスで発売されており、ドイツやイタリアなどの出版社からも、それぞれの言語での出版オファーが来ているのだそう。欧州を中心に海外でも高く評価されていた谷口作品、ぜひ手にとってみてください。

 


光年の森(著/谷口ジロー)

 

定価:本体2,800円+税
発売日:2017/12/6
判型/頁:B5判/64頁
出版社:小学館

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