アーティストをつなぐ、想いを紡ぐ、楽曲が広がる、アンサーソングあれこれ

  

かつて万葉の時代、額田王が読んだ歌、
あかねさす 紫野ゆき 標野ゆき 野守は見ずや 君が袖振る(茜色に輝く紫野を、標野を行き来しているあなた 野守は見ていないでしょうか そんなに袖を振ってそんなに私に合図なさっているのを)
対し、大海人皇子(後の天武天皇)が
紫草の 匂える妹(いも)を 憎くあらば 人妻ゆえに 我恋いめやも(紫に美しく輝くあなたを嫌なわけがあれば 愛してはならない人妻のあなたになぜこんなにも恋い焦がれようか)
と返答した有名な相聞歌がありますが、こんな古い時代からある今で言う「アンサーソング」、アーティスト達は公言をしていなくとも、きっとこの歌の返答歌なんだなぁと思わせる楽曲が多数存在します。

 

海外では、アメリカの古いブルースやソウル多数あるようですが、私が即思い出すのは、「恋の片道切符」で有名なニール・セダカ「Oh! Carol」。このキャロルは、ニールの恋人だった、キャロル・キングだということは衆知の事実ですが、キャロル・キングが書いた「Oh! Neil」はそのアンサーソングだというエピソードも有名です。

 

ちなみにその後、エヴァリー・ブラザーズのカバーでヒットした「Crying in the rain (with lyrics) 」という楽曲をキャロルが書くのですが、80年代に華麗に復活をとげたニールが書いた「Laughter in the rain」、「Crying in the rain」のアンサーソングなのでは?と唱える方がいます。当時、70年代のシンガーソングライターブームも落ち着き、やや低迷時期入ったキャロルに対して、真逆のタイトル・イメージを借りて「元気出せよ!」と彼女を励ます意味で作ったのでないかと。想像を描き立てられますね。

 

 

 

さて、日本の楽曲に目を向けてみましょう。日本では、元歌が別の歌手・アーティストという本来のアンサーソングとは別に、自身で「続編」の意味でアンサーソングを作る例が多いです。

 

有名なところでは、DREAMS COME TRUE
未来予想図、未来予想図II → ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~
『ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~』は『未来予想図』『未来予想図II』の歌詞の世界観を映画化した作品の主題歌として書き下ろされたもの。前の2曲のその後を歌ったものです。

 

70年代のフォークソングが登場の際は、さだまさし(もうひとつの雨やどり ← 雨やどり)や松山千春(青春II(松山千春) ← 青春)も自身でアンサーソングを書かれていたんですね。

 

そして、私の中の究極のアンサーソング。正しくはアンサーソングではないけれど、1曲の中に、未来の自分と今の自分が心を通わせる、アンジェラ・アキ 『手紙~拝啓 十五の君へ~』です。歌詞では15歳の「僕」が悩みを未来の自分に宛てて、“手紙”を書くことによって、未来の自分が「今を生きていくということ」を後押しするアンサーソングだと思っています。

 

 

 

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