戦国時代を生んだ重要なのに地味な大事件「応仁の乱」をわかりやすく解説

  

学校の教科書で紹介されていることもあってか、「応仁の乱」の知名度は高いのですが、どのような戦乱だったのかと問われると、あれ?どんな出来事だったっけ??と首を傾げてしまいます。室町後期に京都でおきた……戦国時代のきっかけとなった……諸大名入り乱れて……そこまではわかるのですが。さらに半ば冗談で、京都の人に先の戦争は?と聞かれると、戦火を逃れた太平洋戦争ではなく、「応仁の乱」って答えるなんてガゼまで登場する始末。ただ、京都の人にとっては、本当に大事件だった「応仁の乱」、本質まで詳しくわかっている人、本当に少ない……。日本史上の大トピックとされていながらも、全体像を捉え難いこの大事件を、既成史観の図式に頼ることなく、絶妙なバランス感覚で丁寧に整理した新書が大ヒット中です。

 

発売元の中央公論新社によると、2016年10月に初版1万3000部でスタートし現在13刷18万部。硬い歴史書としては異例の好調さで、「室町ものは(戦国や幕末と比べ)人気がないというのが業界の常識だが、知りたいという潜在的ニーズはあったのだろう。全く予想外のヒットだ」と驚くほどだそう。

 

応仁の乱が何故認知されにくなった理由、この戦乱が結果的に大乱になってしまっただけで、発端の当事者(細川勝元と山名宗全)たちも、短期に決着するとふんでいたから。それがいつの間にやら多数の大名を巻き込んだため、将軍も大将もコントロールできなくなり、京都だけでなく各地で戦闘が繰り返され、ただだらだらと11年も続いてしまい、しかも戦後処理も釈然としない、よくわからない大乱になってしまったのです。

 

こんな不毛な戦闘は、第1次世界大戦に類似していると筆者は説いています。結果的に諸国に新たなパワーバランスを生みだすことになる、地味な大乱を通して、私達が生きている今の時代にも相通ずると提議を投げかけているのかもれません。

 

 


 

応仁の乱: 戦国時代を生んだ大乱(著/呉座勇一)

 

初版刊行日:2016/10/20 
判型:新書判
ページ数:328ページ
定価:本体900円(税別)

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